2010年12月06日

阿武隈川/江戸の恩は長崎で

阿武隈川
江戸の恩は長崎で

 御老公さん著の時代小説。
 江戸時代の拷問を描いた小説としては、最高傑作の一つであろう。
「阿武隈川」では笞打ちと石抱き、「江戸の恩は長崎で」では木馬責めの拷問シーンがあるが、そこに至るまでの物語もしっかり描かれており、結末もちゃんと落ちがついている点が素晴らしい。
 女囚拷問に興味のある方は、是非上記リンク先で読んでみて頂きたい。

「阿武隈川」

 盗品の運搬を請け負う娘お園は、仕事の不手際により追っ手に捕らわれる。
 評定所の牢で、荷を依頼した盗人の名を問われ、笞打ち、そして石抱きの拷問に掛けられた。
「お園、誰に頼まれて反物を運んだ? 申せ!」
 お園が答えずにいると、下男達が抱き石を思いきり揺すった。脛が切り刻まれたかと思うほどの強い痛みがお園の全身を貫いた。


    *

「江戸の恩は長崎で」

 糸屋の女房お春は、抜け荷の疑いを掛けられ、長崎奉行所に捕らわれる。
 いくら証拠を示されても、身に覚えのない罪を否認するお春は、木馬責めの拷問に掛けられた。
 中山の合図で、下男の一人がお春の右腰のあたりをつかんだ。そして、大きく前後に動かした。彼女の身体が左右にねじれた。いうまでもなく、恥骨と尾骨が、木馬の峰にゴリゴリと当たる。それによって、股間が燃えるように熱くなり、そこから脳天まで、大きな痛みが身体を貫いていく。


 ……私はこれまでに何十回、お園、お春になったことだろう。
 台詞を暗記してしまうほどである。
 お園になったつもりで石抱きを耐え、お春になったつもりで木馬責めを耐える。
 あとは、責め手のお役人様さえ居てくれれば……。
posted by 信乃 at 16:50| Comment(1) | 時代劇
この記事へのコメント
残念ながら、ネット上から消えてしまったようです。
Posted by 信乃 at 2012年04月21日 11:39
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